気功体術
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 気功体術では打撃を当て技と呼びます。当て技での攻防において体格差のハンデを失くすには、効率という要素が大切です。効率はイコール美でもあります。寝技でマウントポジションを取り合うように、立ち技でもポジション取りが、有利に闘う上での非常に重要な要件となります。相手を捌くことで、相手を崩せるようなポジションを取らなくてはなりません。飽くまで体術であるので、相手の攻撃を「体」で捌くこと、つまりは紙一重でよけることで、それがそのまま相手の「体」を絡めとり、相手を崩す技になっていなくてはなりません。その技術が、トラッピングや投げにも繋がるのです。
 人間は二脚歩行の動物です。二脚というのは、非常に不安定な構造です。通常、物は脚が最低3つなければ立ちません。自転車が二脚でその状態を維持できるのは、動いているからに他なりません。人間のコントロール下にない自転車は、静止すれば直ちに倒れてしまいます。静止した自転車は、スタンドという第3の脚を得ることで初めて立ちます。自転車の例で分かる通り、物は最低3点で支えていなければ倒れてしまうのです。これを人間に当てはめると、人間は常に動いてバランスをとっているため二脚でいられますが、ある意味、常に第3の脚を欲しがっている存在だと言えます。そしてこの第3の脚の位置は常に動いています。相手を崩し、投げるには、常に相手がどこに第3の脚を欲しがっているのか察知し、その方向へ崩さなくてはなりません。気功体術では、「第3の脚を欲しがる方向へ崩せ」ということを常に主張します。これが投げの基本となります。さらに相手を投げる際に大切な要素として、「反動を利用する」「上体を崩す」「虚を摑ませる」の3原則を呼びかけています。
 気功体術では、実は「投げる」という捉え方をあまりしません。むしろ投げるというよりは、床や壁、危険な障害物などに「ぶつける」、「叩きつける」といった発想に近いです。従って、一瞬で相手をグシャッと潰すイメージをすれば分かり易いかも知れません。
 関節技に関しても、逆を捕るという発想ではなく、折るものであるとの捉え方をします。従って、関節技のことを折り技と呼びます。折ることを前提とし、それを加減した時、初めて制圧技になるのだ、と考えます。関節技も他の技同様、基本技に捉われることなく、基本技を取っ掛かりとして、「人間の関節の構造を理解する」という、より一段大きな意味での理解に重点を置きます。気功体術はどこまで行っても結局は人体の理解であり、あらゆる角度からの人体の理解により、正しい体の取り扱い方を知ることなのです。
 また、気功体術の大きな特徴の一つとして、摑むことを独立した一つの技と見なし、非常に重要視している点が挙げられます。下図の通り、摑み技は柔法にも剛法にも属するとしています。人体のツボを押さえるという意味では当て技の変形、他の技に繋げるという意味では組み技の部類に属すると言えるでしょう。

 
技の分解図